授乳中のトラブルといっても乳房が痛いときもあれば、乳頭が痛いときもありますね。助産院にも日々どちらも多くのご相談がありますが、今回は乳首の痛みについて少しご説明したいと思います。
乳首に痛みがあって見てみると、乳頭に赤みや亀裂、水疱、白斑(乳首の先に白い斑点)ができていることがあります。今週はこの白斑のご相談が多くありました。乳頭の痛みだけでも沢山あるので…今回は乳口炎、白斑についてお困りの方のご参考になればと思います。
原因
赤ちゃんの吸い方にあるといわれています。ちなみに乳頭の痛みの多くは白斑だけでなくこれが原因だと思われます。お子さんに飲んでもらうときに乳首の先だけ飲む浅のみや体勢・姿勢が歪み飲みになっていることがなっていると授乳中に乳頭に痛みを感じることが多くあります。白斑・乳口炎は、赤ちゃんの「遊び飲み」によってできることも多く、注意が必要です。赤ちゃんが吸っていた乳首を突然離したり、授乳中に急に首を振って乳頭の先端に強い陰圧がかかり余計な負担がかかります。陰圧が加わり水疱が破れて乳口周囲の粘膜に炎症を起こし、乳口炎とならないように注意しましょう。授乳姿勢が不適切なまま授乳をしていると悪化したり、改善しないかもしれませんのでまずは『吸い方』を見直してみましょう。この『不適切な授乳』は、母乳分泌不足や乳腺炎などの原因にもなりますので見直すことはとても大切な事です。
対処法
出来てからの数日間は、授乳の度に白斑周囲がピンポイントでチクチクと強く痛みを感じるかもしれません。乳口の粘膜が炎症により固く厚くなって出口が狭くなります。そのため普段より母乳が出にくくなるので、乳房に母乳が溜まり、痛みが出たり、母乳を作る乳腺組織に炎症が起こり細菌が入り込んだりして乳腺炎となる場合もあります。十分に母乳が排出できないことがきっかけになることが原因になるため『母乳を出す』ことを大切な対処法として行いましょう。温かいタオルやガーゼ、またはお風呂に入ったりシャワーを当ててみたりして『温める』対処もしつつ併せて母乳を出しても少し楽に感じる場合もあるようです。母乳の流れが普段と違うため、母乳の脂肪やタンパク質などの成分が出口で、固まりやすくなります。『つまりを取る』ことも大切な対処法と考えます。『母乳を出す』方法としては適切な授乳と、授乳を終えても乳房の張りがあるなら搾乳も行うようにしましょう。適切な対処ができていると痛みが軽減することが期待できます。その時は、白斑は回復に向かっていると考えてよいと思います。改善の途中で、一時的に白斑が無くなったように見えても、授乳の後にしばらくは白斑が見えたり隠れたりすることもありますが、数週間かかると考えてゆっくりケアをしてください。塊の色は白とは限らず黄色っぽいものもあると考えてください。
まとめ
雨続きで気持ちも下がる毎日です。
そんな時、乳頭トラブルがあると憂鬱なお気持ちになるかもしれません。痛みが強いときは一時的に搾乳もよいかもしれませんが、授乳姿勢などを見直してお子さんが深くくわえることができると根本的な問題解決になるかもしれません。
乳腺炎になるのではと不安になられることもあると思います。乳腺炎は授乳中によくみられるトラブルの一つです。予防するために白斑は、サインだと考えて適切な対処をしましょう。
大切なのは自分自身に一番良い方法を見つけることです。
不安な時、痛みが辛い時、症状が改善しない時は、助産師や母乳育児の専門家にご相談ください。
産後ケアハウスははのわ しほ助産院
助産師・国際認定ラクテーションコンサルタント
野田志保
岡崎市はじめての産後ケア専門の施設を運営し、母児のケアを行う3児の母。
母乳育児支援・育児相談を中心に育児支援訪問や妊婦教室【ハハなる♥オヤなる教室なども開催】など担当。
お母さんと赤ちゃんの笑顔ために『不安に寄り添う助産師』を目指して活動中。